うつ病の兆候~からだの症状~③

うつ病と食欲に密接な関係があることは前項で説明しましたが、その中でもいちばん多いとされる拒食をともなう摂食障害についてより深く考えていきましょう。

「摂食障害」と聞いて、皆さんは何を連想するでしょう?食事を受け付けないでやせ細っていく、激ヤセ、というイメージが多いのではないでしょうか。

また、その姿を見て「痩せていてうらやましい」「自分も摂食障害になればダイエットできるかも」とさえ思う人もいるようです。

ですが、摂食障害というのは一度その状態に陥ってしまうと完全に克服することが大変難しい、健康な人にははかり知れない苦しみを伴う病なのです。

いきなり拒食症になる人はまずいません。

そのほとんどの原因が過剰な食事制限のダイエットを続けたことにあります。

体型にコンプレックスを抱える人だけでなく、最近では体重管理を厳しくコントロールする必要のあるスポーツ選手や芸能人が摂食障害を発症しやすいといわれており、実際公表している人もいます。

過食症の症状は「食べられない」だけではありません。

食べてしまったことによる罪悪感で自ら指を口に入れて嘔吐する行為や、「吐いてしまえば元に戻る」という思い込みで食欲の赴くまま食べ続けたあとに吐く行為(過食嘔吐)、口に含んで咀嚼したものを吐き出す行為(チューイング)も症状のひとつです。

当然ですが、身体の負担はとても大きいです。

嘔吐をすることにより、唾液腺が常に腫れた状態になり顔の形が変わります。

また、吐しゃ物には強い酸性の胃液が混じっており、嘔吐を繰り返すことによって徐々に歯が溶けてゆきます。

内臓の負荷もかかるため、健康な人より消化器の老化が早まるリスクもあります。

結局は身体に食べ物が行き渡っていないため、最終的には栄養失調の状態になります。

ここまでの状態になってしまうと、命の危険があるため入院し、点滴で栄養を補いながら治療をするほかにありません。

うつ病と摂食障害は一見別の病気に思われますが、やはり密接に関わっているといってよいでしょう。

摂食障害を患う人はうつ病も併発していることも多く、逆にうつ病が引き金となって摂食障害を併発するケースもあります。

「食べることが怖い」「太るのが怖い」という不安がうつ病によって煽られてしまうこともあります。

改善するためには、やはりうつ病の適切な治療を受けることにより不安や恐怖を軽減し、心理的療法により自分を縛り付けている食や体型への強いこだわりや思い込みを少しづつ開放することです。

うつ病の兆候~からだの症状~②

うつ病と人間の三大欲求は密接に結びついています。

性欲の減退や不眠ももちろんですが、いちばん強い影響を与えるのは食欲です。

一般的に「摂食障害」と呼ばれており、うつ病と併発することの多い症状です。

改善するのに長い時間がかかり、摂食障害を完全にコントロールすることは最も難しいとされています。

摂食障害とは、どのような状態を指すのでしょう。

・拒食症

その名の通り、食べることを拒んでしまう状態です。

うつ病に罹患すると、食欲が減退するため相対的に食べる量が減り体重も減ります。

また、味覚が鈍麻するため「砂を噛んでいるよう」だとも表現されています。

ただし、うつ病の範囲を超えて「食べることが怖い」「身体が食べ物を受け付けない」状態になると摂食障害の領域です。

うつ病と並行した治療が必要となります(詳細は次項に著述)。

・過食症

ストレスを感じると「やけ食い」のように食べることによって解消しようとする人がいます。

その範疇を超えて、過度に食べ過ぎてしまうことが長く続き、体重が急激に増える症状が「過食症」といえるでしょう。

「食べることをやめられない」「罪悪感を感じることによって更にそれを忘れるように食べてしまう」ことが特徴です。

とくに甘いものや炭水化物の欲求が強く、菓子パンやスナック菓子を大量に間食するケースが多いです。

過食症もまた、原因は複数あるといわれています。

炭水化物を過剰に欲するのは、脳内の神経伝達物質を補うためとされています。

炭水化物は過剰に摂取すると、神経伝達物質が増加するといわれており抑うつ状態が一時的に解消されるといわれています。

ですが、うつの状態が重いと食欲がなくなるため、回復途上でエネルギーを欲する時期に過食の症状が現れるといえます。

また、うつ病の治療の過程で服用している薬の副作用も因果関係として指摘されています。

抗うつ剤であるデプロメールやルボックス、双極性障害で主に処方されるデパケンには食欲を増進させる効果があるとされています。

食欲が出ないうつ病の場合には適切な投薬といえますが、過食が生じてしまうこともあるということです。

もちろん個人差があるので、過食で困っている場合は医師に相談し適切な薬を処方してもらいましょう。

過食を抑えるには、カロリーの低いおやつを食べる、甘いものがほしくなったらお菓子から果物へ切り替えるなど工夫も必要です。

我慢し過ぎは余計に過食を引き起こすことになりかねません。

自分を責めることなく「たまには食べてもいいんだ」という気持ちでうまく付き合っていきましょう。