うつ病の兆候~精神的な症状~③

一般的なうつ病の症状で「不眠」をイメージする人も多いかと思います。

ですが、不眠にもいろいろな種類があります。

逆に寝すぎてしまう「過眠」がうつ病の症状として現れる場合もあります。

うつ病と睡眠の関係性について、説明していきます。

【不眠症】

不眠症という病気そのものもありますが、うつ病の症状の一種として不眠症を併発するケースがたいへん多いです。

睡眠時間には個人差があり、「必ず一日○時間以上眠れていなければ不眠症」という定義はありません。

自分自身が十分な睡眠がとれていないと感じているか、眠れないことによって、昼間に強烈な眠気に襲われているなど睡眠に関して何かしらの障害を抱えていることで判断されます。

・入眠障害

いわゆる「寝付けない」状態です。

布団に入ってから30分以内に入眠できれば正常といわれていますが、2時間以上かかる場合がおおよその基準となります。

・中途覚醒

眠りについても、夜中に何度か目が覚めてしまい、再び寝付くのに時間を要してしまうことを指します。

中途覚醒をすると「寝なきゃ」というプレッシャーを強く感じてしまい眠れなくなるという悪循環に陥る場合があります。

・早朝覚醒

十分な睡眠がとれていないと身体が感じているのに、予定の時間より早く目覚めてしまう状態です。

再度眠ることが難しく、昼間に眠くなってしまうことがあります。

【過眠】

うつ病患者の中にも、過眠を訴える人もいます。

寝ても寝ても寝たりない、まだ眠いという状態です。

前日の夜早く寝たとしても、朝起きれないぐらい眠く、仕事を休んで結果昼過ぎまで眠ってしまうケースもあります。

ストレス反応で身体が眠りを欲することが原因と考えられますが、正確な原因はまだわかっていません。

最近では「冬季うつ」といって冬の間にとくにうつの症状が強くなる病気がありますが、冬季うつの症状のひとつにも過眠があげられます。

いずれにしても、過眠・不眠はうつ病の症状のひとつといって間違いはありません。

睡眠のリズムを一定にすることが改善への一歩です。

入眠障害の場合は睡眠導入剤を少量から処方してもらうのもひとつの方法でしょう。

また規則正しい生活を送ることも睡眠リズムを整えることになります。

決まった時間に布団に入る、起床したら日光を浴びるなど、体内時計を調整することにより自律神経も整ってくるでしょう。

寝る前に音楽を聴いたり、アロマオイルのにおいをかいだりと、リラックスして入眠できるような環境づくりも大切です。

うつ病の兆候~精神的な症状~②

実際のうつ病の患者は、まる一日中同じ心身の状態が続くわけではありません。

意外と知られていませんが、一日のうちでもうつ状態がひどい時間帯と比較的楽になる時間帯があるようです。

一般的に「日内変動」と呼ばれていますが、具体的に日内変動とはどのような状態を指すのでしょう。

うつ病の症状がいちばん顕著に出る時間帯が朝、とくに起床時です。

前日の夜にいくらしっかり睡眠をとったとしても目覚まし時計が鳴った瞬間、絶望的な気分に陥ってしまったり、一日が始まるという事実に気分が重くなってしまうのです。

誰でも朝は眠いし、朝が弱いだけで甘えではないかと思われがちですが、れっきとしたうつ病の症状です。

自分を奮い立たせて起床し、出勤できればまだ軽症といえますが、午前中は比較的調子が悪く、仕事のパフォーマンスが上がらなかったり頭痛がしてボーっとしてしまい何もできないという状態です。

うつが重くなると布団から起き上がれず欠勤してしまうということがたびたび起こります。

逆に、夕方から夜にかけて気分が上向きになるのも日内変動の大きな特徴です。

朝とはうってかわって、開放的な気分になり普通の生活を送ることができ、趣味なども楽しむことができる人もいるくらいです。

しかし、その状態で就寝しても朝には逆戻りで、起床が困難な状態になります。

ちょうど退社時間と重なるため、仕事が嫌だからそうなるのでは?と理解のない人は考えがちですが、むしろうつ病の症状のため夕方に近づくにつれて仕事が捗る人が多いのも事実です。

また、夜は元気だからといって治ったと勘違いして薬をやめたりすることは厳禁で、余計にうつ病を悪化させてしまうことになります。

日内変動のメカニズムは、まだ正確には解明されていませんが、一説には自律神経との関係が密接にあるといわれています。

自律神経とは緊張や行動をつかさどる交感神経と、リラックスをつかさどる副交感神経のバランスで成り立っています。

夜には当然副交感神経が活発になり眠りにつき、起床とともに交換神経が徐々に働き活動ができるようになります。

自律神経に乱れが生じると、睡眠や生活リズムのバランスが崩れうつ病の症状と相まって日内変動として現れるようです。

自律神経の乱れを改善しただけではうつ病そのものは治りませんが、少しでも症状を軽減させるために昼間はなるべく日光を浴びたり、夜は過度に活動的にならずリラックスに努めるなどしてゆっくり過ごしましょう。